瀬戸の春恋魚


3月も近くなってくると、馴染みの女に誕生日がやってくる時期になる。もうすぐ、三十路に手が届く年頃に、何を贈り物にしようか考えていたけど、一つ品性や情緒を贈ろうと手頃な書籍を探していたら、結構しびれた本がこれ。

 

 

遠い北の国々では、冬場は漁(瀬戸内風にいさりと読んでくれ)に出られずに、保存食を食べて春を恋うらしい。この本のテーマの春恋魚が、雪深い北の国で、つましく春を待つ民と同じ物を食った国主が詩歌に詠ったのが由来だと聞いて、春を恋うほど寒くもない瀬戸内で、春恋魚とはなんだろうと少し考えた。

 

ここ瀬戸内では、関東では桜鯛を食べて春を祝う鯛がそういえば、春恋魚。実は江戸で珍貴に扱われる前の、厳冬の時期こそ一番うまいんだ。

 

と、いうわけで、いつもとは違う魚屋で、買って来ました見事な大鯛。たっぷり3kgはあろうかという見事な鯛で、ご立派様。

 

 

 

春を思わせるものといえば、他に柑橘の風味、ってことで、今日はすだちで風味づけしたシャリに刻み昆布を入れて、握り寿司と、身を豪快にとった刺身でいっぱい。

 

 

本の中の世界に浸るつもりで、あえて陶器じゃなく木の器、お盆を流用してみた。

 

 

刺身というと、薄くとるのが好きな人が多いけど、身の形にあわせて取りやすいように美味しくとるほうが大事。四角く大ぶりに切った部分は、塩と柑橘。薄い切り身は醤油と山葵で。

 

 

〆まる時間が待ちきれないので、シャリの昆布と合わせた風味で昆布〆を代用。柑橘の風味と魚ってのもオツでいいね。

 

今回は、見事な大鯛でお代は4000円。おまけでイワシ二匹と、普通の男のげんこつ3個分はあろうかという赤なまこ。今回は、場所は秘密。

コノワタも甘露、甘露の結構豪勢な食卓に仕上がりました。

 

本当はもう一種、舌平目も春恋魚と言えるけど、今度いいのが手に入ったら、また。あれも、都会じゃなかなか食えない旨さがある。

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コメント

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